『脚痩せ』は現代人にとって関心の高いトピック。
脚痩せ系のYouTubeや本が出たり、脚を強調した写真に注目が集まったり…。
私たちは必死に追いかけるあの「太ももの隙間」。
多くの人が当たり前のように目指す美ボディも、実は人の身体には存在するべきではない隙間です。
パーソナルトレーナーmikikoさんが、理想を追いかける前に知りたい「人間の身体の構造」と「太もも市場をとりまく環境」について紹介します。
女性の美ボディの代名詞とも言える「太ももの隙間」を手に入れても、健康へのメリットはありません。強いて言うならば、この”太もも市場”で1番恩恵を受けているのは、あなたのコンプレックスを利用して潤っているダイエット業界かもしれません。
女子が追いかける太ももの隙間は、人間の身体の構造や健康を考えたら『存在するべきではない隙間』だからです。
太ももの隙間は存在するべきではない
これは、人の身体の仕組みを理解するとハッキリと言い切れること。骨の配置を見ると、たしかに脚と脚の間に大きな空間があります。これだけの空間があれば隙間も出来そうですが、この骨格に内ももの筋肉を乗せていくと、その隙間はほとんど埋まります。
さらに脂肪を重ねると、太ももの間の隙間はほぼ無くなります。「その筋肉と脂肪を落としたら隙間は大きくなるんだから、頑張って痩せればいい」と思うかもしれません。残念ながら、それは大きな誤解。隙間ができるほど筋肉が落ちれば、日常生活をこなすだけの筋力が足りなくなってしまうのです。
内ももにこれだけの分厚い筋肉が集まっている理由は、人類の発達の過程で必要だったから。登ったり泳いだり、走ったり運んだり。この筋肉がないとヒトとして必要な動作が正しく出来なくなります。その結果が、現代人の膝や腰の痛み。最近は10〜20代でも腰や膝に痛みがある人がたくさんいますね。
さらに、隙間ができるほど脂肪が減れば、痩せすぎで生理不順や免疫不全などの健康リスクが上がります。太ももの脂肪は女性ホルモンが密接に関係してくる部分なので、ここから痩せようとするのはプロでも苦労すること。体重が落とすだけでは削れない部分なのです。
また、私たちがよく見る人体模型は、脚を広げて立っていることがほとんど。脚まだ閉じてない段階で隙間が出来か出来ないかの話をしていたので、足首をくっつけて立ったら、当然、膝あたりりまで隙間が埋まります。
そう、隙間がなくて正解なんです。そういうふうに人の身体はできているんです。
隙間のカラクリ
でも、SNSや雑誌では隙間ある人を見かけますよね。「存在するべきでない隙間」は確かに存在しています。なぜでしょうか?
「それっぽく見せるためのカラクリ」を紹介します。
太ももの隙間がある写真のほとんどが以下の5つにカテゴリー分けできます。
①脚を開いて立ってる
人体模型と同様。膝下は写真に写さず、脚を開いてるかどうか分かりにくくなっている場合もある。
②脚が細く見えるポーズをしている
腰を後ろに引く、片足だけ前に出す、片足を曲げる、など
③O脚
くるぶしはくっついてるけど、膝と膝がくっついてない。
④極度の痩せすぎ
太ももの付け根から膝にかけてが真っ直ぐ。内腿の膨らみが無い。
⑤アプリで加工して隙間を広げている
技術の発達ですね…。今ではスマホで気軽に出来てしまいます。
太ももの隙間=自分の魅力?
太ももに隙間がないと自分は魅力的になれないと感じていませんか?人間の身体に存在するべきでない隙間を「それでも魅力的だから」と欲しがるのは、不健康で歪んだ美的感覚です。
そして、その歪んだ感覚を正すどころか商売文句として扱うサービスやインフルエンサーは、あなたのコンプレックスを利用している不健康で歪んだビジネスです。
ポージングしないで、O脚じゃなくて、それでも太ももの間に隙間があったら、それは極度の痩せすぎ。そんな脚を手に入れる頃には、痩せすぎによるホルモンバランスの乱れ、生理不順、睡眠の質低下、免疫低下、筋力低下といった問題を抱えている可能性も十分あります。SNS上で見るキラキラした笑顔の投稿からは、そんな情報まで知ることはできません。
自分の健康を差し置いて『流行の美』を手に入れて、その先であなたの人生は本当に輝いているのでしょうか?自信が手に入るなら健康は犠牲にしていいのでしょうか?
変えなければいけないのは、あなたの身体ではなくて「考え方」です。
女子たちよ!誰にも真似できない『私』を磨け!
流行によって変わる「理想の身体」を追いかけて「自分ではない誰か」になろうとするよりも、自分の体質や骨格を活かして「生まれ持ったものを最大限に活かせる理想」を探すべきです。
脚に隙間がなくたって美しい人でこの世の中は溢れています。虫眼鏡で身体を見ているかのような限定的な美の定義に縛られているのであれば、次に脚の隙間を強調した写真を見つけた時にこの質問を考えてみてください。
脚に隙間があったら美しいって 「どこの」 「誰が」 「いつから」 「誰のために」 「何の目的で」 言い始めたことなんだろう?
文化・視野・慣習・信条は数日では変わりません。今まで信じてきたことをペロッとひっくり返して真逆の考えをするのは難しい。でも、今は響かなくても、頭の隅っこで残ります。いつかどこかで響く。次に似た話を聞いた時に、今日より響くはずです
数ヶ月、数年たった頃に「あ、私、ボディイメージの考え方が変わってきてるかも」って思ってくれたら私は嬉しいです。あなたが、自分の軸を取り戻し、自分が必死に追いかける理想がどこから生まれたかを考えるきっかけになりますように。
神戸針灸接骨治療院ではこのような健康になるためのお話なども投稿しています。
また、一人一人のお悩みや原因に合わせた治療を行なっています。
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この記事はパーソナルトレーナーmikikoさんの【なぜ「太ももの隙間」はあるべきではないのか|理想のカラダを追いかける前に知っておきたいこととは】より、一部引用しております。
元記事はこちら→なぜ「太ももの隙間」はあるべきではないのか|理想のカラダを追いかける前に知っておきたいこととは | ヨガジャーナルオンライン (yogajournal.jp)