
疲れを解消するにはどうすればいいのか。
ウォーキングコンサルタントの犬飼奈穂さんは
「背筋を伸ばす姿勢が『いい姿勢』とされているが、体にいいことは一つもない。
座るときは胸を張ったり、丸めたりせず、背中をゆるめることを意識してほしい」という――。
【座っているだけで疲れる人の共通点】
人間は本来、体に負荷をかけずに立ったり座ったり、歩いたりすることができます。
体に負荷をかけないというのは、筋肉に余計な力を込めない、ということです。
無理も我慢もいらないのが本来の自然な状態です。
なぜ余計な力を入れる必要がないかというと、
人の骨格は、骨だけでバランスよく立ったり、座ったり、
動けたりするようにできているからです。
積み木を、ただ単純に積み上げていく様子をイメージしてみてください。
人の骨格も同じで、筋肉に余計な力を入れなくても、
本来は骨だけで体を支え、バランスがとれるようにできています。
骨だけでバランス良く座り、立つことができるようになると、
その姿勢を続けていても疲れません。
逆に、疲れる姿勢というのは、良い姿勢ではありません。
背筋をピーンと伸ばした姿勢や、胸を張った姿勢がこれにあたります。
面接や食事会などのかしこまった場で長時間座っていて、
背中や腰がパンパンになったということはありませんか?
行列に並んでいるだけで、足腰が疲れてしまうことはありませんか?
思い当たる人は、知らず知らずのうちに、
体に負荷をかけるような座り方・立ち方が身に付いてしまっています。
背筋をピーンと伸ばして座ると、胸を張って腰が大きく反ってしまいます。
体に力を込めないとバランスがとれません。
筋肉に必要以上の負荷がかかり、筋肉の動きも制限されてしまっている状態です。
この姿勢を続けてしまうと、呼吸の質の低下、内臓機能の低下、
肩こりや首こり、腰痛、スタイルの悪化などさまざまな弊害をもたらします。
体に良いことは一つもありません。
【胸を張っても、背中を丸めてもダメ】
胸を張ると、いかにも体がグーッと上に上がったように感じるかもしれません。
でも、実際に体の中で起こっていることはその逆で、
内臓は「上から下へ」押されてしまっているのです。
疲れて、体に負担をかけて、
スタイルも悪くなってしまう残念な姿勢だということを、
覚えて頂きたいと思います。
反対に、背中をまるめて、あごを突き出して座るのもNGです。
この姿勢の人は、お腹がぽっこりつき出ています。
背中の筋肉が前に引っぱられて固くなり、
背筋をピーンと伸ばす姿勢と同様に、体に負担をかけて不調をもたらします。

崩れた姿勢は、筋肉の固さに直結します。
長時間、崩れた姿勢で過ごすと、筋肉に負荷がかかり、収縮して固くなります。
この収縮状態が続くと、そのまま固まってしまうからです。
すべてのカギは、姿勢なのです。
よく誤解されるのですが、「ダラッと力を抜いている姿勢」か
「力を込めてがんばっている姿勢」かの二者択一ではありません。
そのどちらでもない、「ラクでがんばらなくてもいい姿勢」があるのです。
骨を正しいポジションに戻し、
背中をゆるめてくれる「疲れない姿勢」を紹介していきます。
【ラクで疲れない姿勢になる4つのポイント】
人は寝ている時間以外、
座っている時間と立っている時間がほとんどを占めています。
座る時間は、デスクワークはもちろん、
食事や車の運転、公共交通機関での移動、ソファでくつろぐ時間も含みます。
立つ時間は、レジや信号待ち、料理や洗濯などの家事、
歯磨きやドライヤーをかける時間など、日常の中に細切れに存在します。

この日常の座る・立つ時間の質をほんの少し上げることができれば、
ただそれだけで筋肉はどんどんゆるんでいきます。
私はこれを「日常動作の質が上がる」と表現しています。
座るときも立つときも、意識するポイントは同じです。
これから紹介するのは、日常の動作がよりラクになり、より疲れなくなる姿勢です。
それでは、正しい座り方をご紹介しましょう。
【1】~【4】までのとても簡単なステップになります。
【1】まずは力を抜いて「腰を落とし」ラクな姿勢でいすに座ります。
両手の手のひらの小指側を両足の付け根にチョップしながら、
腰をゆっくりと起こしていきます。この時、お腹にも背中にも力を入れなくて大丈夫です。
【2】両腕を少し広げて外側にひねり、手のひらを前に向けます。
【3】手のひらはそのままにして、両肩を耳に近づけるように上げます。
腕を後ろに下げてから自然に下ろしましょう。
腕を下ろすときに、みぞおちの位置は上げたままにしてください。
【4】顔を上げて真上を見てから、あごを引きます。これで首の位置が整います。
【パソコン仕事で疲れるのは目線が下がるから】
この姿勢を覚えてください。
長時間座っても、体に負担をかけず、疲れない姿勢です。
崩れてきたら、【1】~【4】を繰り返して戻すようにしましょう。
気が付くと脚を組んでいるという人は、
とくに【1】の「腰を起こす」というプロセスを意識してください。
脚を組みたくなるのは腰が落ちているからです。
脚を組むと骨盤まわりの筋肉がねじてれしまうため、組まないように気をつけましょう。

正座をする機会が多いという人も、この付け根チョップをして腰を起こして、
背中が丸まらないように座るといいでしょう。
腰が落ちて背中が丸くなると胃腸を圧迫してしまうので、
座って食事をとる場合も、腰を起こすように意識するとよいですね。
また、PC作業をする場合は、
PCの中央が目と同じ高さになるように上げるのがおすすめです。
【座り方、立ち方を軽視してはいけない】
正しい座り方や立ち方を身に付けて背中の筋肉がゆるむと、
人間関係がスムーズになります。たかが姿勢、と侮ってはいけません。
私は専門学校や大学の就職活動対策として、
姿勢や歩き方のお話をさせていただく機会があります。
そこでよく話すのですが、
人への印象は、会った瞬間にある程度決まってしまいます。
猫背や巻き肩だと、頼りなさそうで、だらしなさそうな印象を与えてしまいます。
首が前に出て顔が大きく見えるので、良い印象ではありません。
かといって、ビシッと胸を張っていると、いかにも自信にあふれていそうですが、
実は目に見えない緊張感を生み出してしまうので、お互いに疲れやすくなってしまいます。
何より、自然体ではありません。
ラクで心地よく、自然と胸が開いている姿勢が、落ち着いた印象を与えます。
余計な力が抜けている人と一緒にいると、人は心地よさを感じます。
「この人と一緒に仕事をしたい。この人に任せたい」
「この人と一緒の時間を過ごしたい」
信頼される人は、立ち姿から心地のいい雰囲気をまとっています。
それは、営業やプレゼンテーション、ご近所、友だち付き合いなど、
人間関係全般に言えることです。
最近はオンラインでの面会も増えていますが、オンラインだからこそ、
姿勢が与える印象はより強くなります。
【「美しさ」を目指さなくていい】
心地いい姿勢でいることのもう一つのメリットは、自然に笑顔になることです。
背中が固いと、自分では笑っているつもりでも、
顔の筋肉がひきつって不自然な笑顔になっていたり、
笑っているように見えなかったりします。
心地よさは、伝染するものです。まずは自分が心地よい状態になってください。
それが、周囲の人に安心感や心地よさを与えることになるのです。
書店にあふれている姿勢や歩き方の本は、「美しさ」を目指しています。
キレイに見える立ち姿、美しく見せる歩き方を追求しています。
でも、私がお話ししてきた姿勢や歩き方は、美しく見えることが目的ではありません。
なぜなら私は、健康でないと美しくなれないと思っているからです。
ここで言う「健康」とは、「病気ではない状態」のことではありません。
人は誰しも、予期せぬ病気にかかってしまうことはありますし、
病気とともに生きていかなければならないこともあります。
私が目指す「健康」とは、体と心が心地よい状態にあり、
元気な状態であることです。
背中をゆるめ、筋肉への負荷や内臓への負担を減らし、
血流やリンパの流れを良くすることで、基礎代謝が上がり、免疫力も上がります。
老廃物の排出がしやすい体質になり、便秘の解消につながります。
動かせる筋肉が格段に増えるので、やせやすい体になっていきます。
このように、自分の体と心が「心地よい」と思える状態が、健康な状態なのです。
健康になると、勝手にキレイになります。
美しさは求めるものではなく、結果としてついてくるものなのです。
【背中をゆるめれば若々しさが手に入る】
若さも同様です。若く見せることを追求するのではなく、
健康になることで、結果として若返るのです。
自分が心地よい状態を求めることによって、
日常のちょっとしたしぐさに軸が生まれ、はつらつとして見えるのです。
「年齢よりも若く見られたい」という欲求は自然なものです。
もし見た目を気にしてアンチエイジングにあれこれと投資されているようなら、
姿勢と歩き方を改めることにも目を向けてください。
背中をゆるめ、姿勢や歩き方を改めることは、
最大のアンチエイジングです。しかも即効性があるのも嬉しいポイントです。
※この記事は、犬飼奈穂さん著書『背中をゆるめると健康になる』(プレジデント社)の一部を再編集した記事より引用させて頂きました。
犬飼 奈穂(いぬがい・なほ)さんプロフィール
ウォーキングコンサルタント
歩き方コーチ。「ORO(オーロ)ウォーキングスタジオ」代表。「オーラをまとう歩き方レッスン」主宰。愛媛県松山市出身。「正しい歩き方」ではなく、「心地よい歩き方」を探求し、これまでに述べ6000人以上に指導し、肩こり・腰痛、猫背、坐骨神経痛など、体が抱える数々の悩みを改善してきた。開催する講座やセミナーは1000回を超える。
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