およそ5人に1人が悩んでいるといわれる不眠。
では、俗にいう「不眠・不眠症」とは具体的にどのような状態をいうのでしょうか。
不眠症とは?
まず、「不眠」には次の4つのタイプがあります。
- 入眠障害:夜間なかなか入眠できず、寝つくのに普段より2時間以上かかる
- 中間覚醒:一旦寝ついても夜中に目が覚めやすく、2回以上目が覚める
- 熟眠障害:朝起きたときにぐっすり眠った感じが得られない
- 早朝覚醒:朝普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう
そして、これらいずれかの不眠が週2回以上あり、かつ少なくとも1ヶ月は持続している状態を「不眠症」といいます。
不眠症の原因には、照明や気温などの環境的要因、身体の痛みなどの肉体的要因、ストレスなどの精神的要因のほか、カフェイン・アルコール・年齢による影響など、様々なものがあります。
なかでもストレスの存在は大きく、仕事や家庭での精神的ストレスで不眠症に陥っているという方も多いのではないかと思います。
不眠症を克服するには、原因であるストレスを取り除くのが最も有効なのは言うまでもありません。
しかし、いきなりストレスを無くせと言われても難しいですし、「私だって無くせるものなら無くしたい!」と言い返したくもなりますよね。
そこで、不眠症改善に向けた1つの選択肢として、鍼灸治療が有効なのです。
不眠症の原因について
なぜ眠れないのか、何が睡眠をじゃまするのでしょうか?
子供には不眠症はありません。現在不眠症で悩んでいる方で「子供の時からずっと」などということはまず無いでしょう。みなさん子供の時はぐっすり朝まで眠れたはずです。
では子供と大人では、いったい何が違うのでしょう。
まず一つには、精神的な疲労が有るか無いかの違いです。
- ストレス
- うつ病
- ノイローゼ
- ヒステリー
など、大人には精神状態が不安定になることが多々あります。
これらは中枢神経を興奮させ、眠りをさまたげます。
次に、自律神経のバランスが崩れてしまうことが考えられます。
自律神経には、交感神経と副交感神経とがあり、内臓などさまざまな器官に分布しており、それらをコントロールしているもので、交感神経が昼働けば、副交感神経は夜に働くのが本来あるべきなのですが、この自律神経のバランスが崩れると、身体は昼と夜とが判断出来なくなってしまいます。そのため眠れなくなるのです。
以上は、現代医学でも説明はつくのですが、ここからは東洋医学的説明です。
東洋医学では、眠ることにもそれなりの元気が必要と考えます。
子供にはその元気がたくさんあるから良く眠れるのです。
東洋医学では、「気」というものを重要視します。
この気は全身をめぐっているのですが、昼間は陽の部位(体表や上半身)をめぐり、
目や脳などを働かせています。
そして、夜になるとからだの陰の部位(からだの深部や下半身)をめぐるのです。
不眠症は、この気が夜になっても陰の部位に入れず目や脳で停滞してしまい眠れなくなるのです。
子供が眠る元気がたくさんあるというのは、気の流れが良好であり、陽の部位から陰の部位へ上手に気を送ることが出来るのです。
不眠症の治療法・解消法
上記の説明でおわかりと思いますが、
不眠症の治療法は、からだの気の流れを整えることです。
昼間は陽の部位を、夜は陰の部位を流れるようにしてあげることです。
では、身体に気をめぐらせる元気と言うのは、どこから出ているのでしょうか。
それは東洋医学では五臓六腑の元気であると考えています。
五臓六腑はお互いに助け合いながら機能しているのですが、このうち一つでも何らかの原因で元気がなくなると、五臓六腑全体の元気も低下し、からだをめぐる気の流れも停滞してしまいます。
不眠症で元気の低下しやすい臓腑は、ストレスなどの精神的影響や自律神経失調などにより、肝と脾の気が低下することが多いようです。
不眠症の治療法としては、まずこの弱った臓腑の気を補い、五臓六腑全体の気を充実させ、身体をめぐる気の流れを改善させます。
これだけでもある程度は眠る元気は出るのですが、ストレスやヒステリー、ノイローゼなどの精神的緊張が強い人は、中枢神経の興奮をおさえるツボを使い治療します。
そしてもう一つ大切なのは、自律神経失調症の治療をしなければなりません。
自律神経は、頚椎 胸椎から内臓や血管など各器官に分布してこれらを自然にコントロールしています。
自律神経失調症の人は、背骨の両わきの筋肉が緊張し頚椎、胸椎が微妙にねじれ、そこを通る自律神経の働きに悪影響を及ぼします。
先にも説明しましたが本来、昼に働くべき神経と、夜に働くべき神経が狂ってしまうので起こるのです。
治療法としては背骨の両わきのツボを使い、首や背中の筋肉の緊張を緩和させ、背骨の微妙なねじれを矯正します。
以上の三つの原因を上手に治療してあげれば、不眠は快眠に変わるのです。
※自律神経失調症のページも参考にしてください。
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眠れない日が続くと、「今夜も寝られないかも…」と心配になるかもしれません。
でも、そんな時こそ“あまり気にしない”のが大切です。
「どうせいつか眠くなるだろう」くらいに気楽に構えて、もし眠くなければ思い切ってベッドから出てしまいましょう。
それから、朝起きたら日光を浴びることもすごく大切です。
人間の身体は、朝日を浴びてから14時間ほどで眠くなるように出来ています。
そのため、たっぷり朝日を浴びることで不眠の改善に一歩近づけるかもしれません。
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